自然

 先日、農機具を整備していて手を切った。一日中ズキズキしていて、寝ている間も少しうずいたが、その疼きがどこか他人事で自分の意思とは関係なくそこで何かが行われているという感覚を持った(こんな感覚は初めてだった)。翌日仕事をしている間にいつのまにか傷口はふさがっていた。私はこの時、実感した、田んぼで稲を育てるのと同じゃないか。田んぼで稲が育つのと、自分の体の傷が治ることが、感覚的に一致した。傷は自然に治る、そう自然に治るのだ。稲だって同じだ、条件を整えてやれば、稲は自然に勝手に育つのだ。そこには何らかの自然の仕組みがあり、自然の働きがある。今更であるが、自分の体も田んぼの稲と同じ自然なのだと初めてしみじみ実感した。一体何の話だ、全く。