春の日和

 3月11日。もう3年経った。歳月とは一体何なんだろうか、と思う。先日、被災地の子供達の今を、ふとつけたテレビで見た。彼らはたくましかった、とても。あの時、親や兄弟や友を亡くした少年の顔は、今や驚くほどたくましかった。震災と言うが、一言では到底捉えきれない。色々な要因、事情、問題、課題、それらが時には多重的に絡み合っている。更にそれらの中に極めて個別的かつ個人的な事情がある。そこには人それぞれの億万分の悲しみがある。たくましく育った少年、たくさんの涙と苦しみを乗り越えてきたのだ、彼ら彼女らの成長した姿を見て、なかなかうまく言葉にできないけれど、私は私なりにできるだけ精一杯生きる、誠実に生きる、今までよりももっと仕事に誇りを持つ、いつかそんな風に悲しみを乗り越えて大きく育った大人になったかつての子供達の前に立った時、私もそこに少しはちゃんと立っていられるように、そこまでしっかり歩いていく必要があるように思った。先は長い、始まったばかりだ、これからだ。今日は春の日和だった。