今日は春の陽気、鍬で田んぼの溝切りをして汗をかいた。湧水のある所はあらかじめ排水用の溝をこしらえておくのだが、放っておくとすっかり泥が溜まる。だからいつも春の早い段階でまずこの溝切り作業に取り掛かる。作業中、泥の中から沢ガニとイモリが出てきた。まだ冬眠中だったのだろう、とても動きが鈍かった。それぞれ手にとって作業の邪魔にならないところに逃がしてやった。手で触れると生き物の温もりのようなものが伝わってくる。何かが心の中で揺れる。子供の頃はこれだけで夢中になれた。本当の豊かさや大切なものはこういうところにある、そう思う。言わずもがな?これ以上、自然を破壊して何かを作ったって、もうこれ以上豊かにもなれないし、大切なものに出会えることもない、そう思った。

