感触

 少し前の話しになるが、奥琵琶湖でオオワシを見た。毎年、一羽のメスが越冬のため海を渡ってくるらしい。(動物園ではない)野性のワシを初めて見た。実感、感触。帰りに琵琶湖大橋近くの佐川美術館に立ち寄った。佐藤忠良の彫刻(「触ることから始めよう」展)。鳥の彫刻があった。オオワシの感触の余韻がリアルに胸の真ん中で動き出す。彫刻とワシが呼応し合った。彫刻はまさに感触そのものだった。おそらく初めて彫刻で感動した(とても静かな感動だが)。野性のワシ、彫刻、その感触は今でも身体に残っている。そうなのだ、私達農家の仕事にとっても感触は大切なひとつなのだ。