昔、ずっと昔、作業小屋でラジオをかけながら、稲の選り分けの仕事をしていた。聴くともなく聴いていたが、不意に流れてきたホイットニーヒューストンの歌声はその場の空気を瞬時に変えた。まるで虚をつかれたように心に入り込み、心を奪われた。頭のてっぺんから足の先までがしびれるような心地良さに包まれた。あまりに印象的だったので今でもその時のことはよく覚えている。(そうなのだ、音楽は一瞬で空気も人の気持ちも変えることができるのだ。)
ホイットニーヒューストンが若くして世を去った。彼女のことはよく知らない、もちろんだが、朝の新聞記事以外のことはほとんど知らない。それと昔見た映画の彼女は素敵だった。彼女が世を去ってから、彼女のCDをよくかける。いい声だな。いい歌声だな。彼女がいないと思うと、その声はとても切ないのだ。こんなに切なかったかなー。